吾輩はヅカオタである。

名前はまだない。

宝塚歌劇の何が好きって

あのまなざしが好き。

男役さんが娘役さんに向けるまなざしが好き。

娘役さんが男役さんを見つめるまなざしが好き。

相手役さんを信じるまなざしが好き。

トップさんが組子にかけるまなざしが好き。

組子がトップさんに向けるまなざしが好き。

初舞台生を迎えるまなざしが好き。

退団者に向けるあたたかなまなざしが好き。

下級生を応援するまなざし、上級生を追いかけるまなざしが、同期を信頼するまなざしが好き。

客席に向けてくださるしあわせなまなざしが好き。


私の知らない人と人が見つめあう何もない空間に年月、信頼、愛、慈しみ、あたたかさを感じています。
宝塚歌劇のどこが好きなのだろうとよく考えますが、私はきっとあのまなざしが好き。
あのまなざしだけは他にないと思う。
大劇場で見られる美しいまなざしが好き。
そのまなざしがこちらに向けられていなくていい。
この世に存在して、それを客席から眺めていられるだけでいい。
何もかも忘れられるあたたかなまなざしが好き。

夢が出来てしまった

エースモーションを楽しんでいます。

 

和希そらさんが真ん中だった「世界の王」から語りたいと思います。

わんぱくやんちゃな男の子を演じれば和希さんはピカイチだと思っています。いや、何をしても上手なのは知っていますが。

 

「世界の王」は若さというエネルギーの歌だと思っています。和希さんにぴったりでした。

勢い、根拠のない自信、明るさ、まっすぐさが伝わってくる和希さんの歌であり、宙組のコーラスです。

 

ロミジュリってどうして「死」を選ぶのだろうかと思っていたんですよ。

全然ロミオとジュリエットは詳しくないのですが、不思議だなとずっと思っていました。少しの行き違いがあったとしても、ロミオなら、ロミオとジュリエットなら走って逃げる未来もあったのにと考えることがあります。

若く生き生きとしたふたりと「死」は正反対のものに思えます。

若さと死は対極のものだと思っていました。

 

「世界の王」の終わりで和希さんが焦点の合わないような、遠くを見つめるようにしていました。

周りの笑顔からは離れてロミオがぽつんといるように見えました。周りにはたくさん仲間がいるのに誰にも分かってもらえないという顔に見えたんです。

その後何もなかったかのように笑顔に戻ってポーズを決めていらしたのですが、私はこれがロミオの本質なのかと思いました。

理由のない勢いや自信の裏にある不安。

若いからこそ長い人生に対する不安は死へも繋がるのかと感じました。

その時に和希さんを見て「あ、この人死ぬな」と思ったんです。和希さんではなく、ロミオにですね。

若くてハツラツとしていてイメージ通りのロミオでしたが、人には打ち明けられない不安(もしくは自分でも不安だと分かっていないような何か)があるのだろうと思います。この後死を選ぶことが腑に落ちるロミオでした。「死」のお役が見えるようでした。

和希さんのロミオには「死」が纏わり付いていて、どこか儚さがあり死を選ぶことも分かります。

ロミオのことが分かった気がしました。

 

そして夢が出来てしまいました。

もっと見たいと思いました。観たい!と思いました。

この世界でであの役を、と思うことはそういうことじゃないですか。そういうことはあまり思わないようにと思っていたんですけれど。

舞台にいらっしゃるだけでいいと思っていたのですが、私も欲深くなってしまいました。

でもね、もっともっとと思うくらい、おかわりしたくなるくらいすてきな歌とダンスでロミオだったんです。

 

私が勝手に思っているだけでいいことなのですが、1回だけ言わせてください。

 

 

和希さんのロミオが見たい!

和希さんのロミオで観たい!

 

 

大きな声になってしまいました。あの場面の興奮冷めやらぬ、ということで。

 

 

 

 

あの人が見る世界もきれいならいい

初めてペンライトを振ったことの記録です。

 

生まれて初めてペンライトを買いました。

朝夏まなとアメージングステージのためにです。

そして今日とても楽しみにしていた初日の幕が上がりました。

いつもは双眼鏡とタオル(泣いた時用)を置いている膝の上にはプラスしてAの文字がデザインされたペンライトがありました。

 

何せ初めてペンライトを買ったので、点灯して振るタイミングが分かりませんでした。

このまま使えないまま帰ることになったらどうしようかと思いましたが、その時はやってきました。 

それは「きよしのズンドコ節」ならぬ、「まなとのズンドコ節」です。

ここだ、と思いました。

「ズン、ズンズン、ズンドコ、ま!な!と!!」のま、な、と!でチャチャチャとペンライトを振る。とても楽しかったです。

 

見渡すと思いのほか多くの方がペンライトを持っていました。さっきまでとは違う客席です。タイミングを計っていたのは私だけではなかったようで少し安心しました。

 

暗い客席にペンライトが灯っていました。ペンライトが灯る客席がきれいなことを初めて知りました。

そのときふと、あの人たちから見える世界も美しければいいなと思いました。

私は客席からいつもきれいなものを見ているので、舞台にいる方々に見えている世界もきれいで美しいものだといいなぁと。

全員持たないといけない、持った方がいいと思ったわけではありません。なくても十分楽しいなと思います。

ただ、あの人たちから見える世界も美しければいいなと思いました。いつもしあわせにしてくれる方々がしあわせだと嬉しいです。

 

ペンライトから話は壮大になってしまった。壮大なことに意識を飛ばしがちなオタクです。

 

その後も宙組の皆さんに心を委ねていると「ここだ!」とスイッチをオンにするときが分かりました。

初ペンライトを迎える方がいらっしゃれば、恐れずに宙組子に心を委ね楽しんで来ていただきたいです。

私の初めてのペンライトはA Motionの思い出と共に忘れられないものになりそうです。

 

 

 

エアコンとお芝居

「神々の土地」のポスター画像を見たときに「星逢一夜」のことを思い出しました。上田久美子先生繋がりなのか、ポスターの美しさ繋がりなのか。

そういえば「星逢一夜」も夏の上演でしたね。

暑い夏でした。

 

早霧さんのアナウンスが入って客席が静まり集中する劇場に「ああ、夏だな」と思ったことをよく覚えています。

暑い夏という意味ではなく、夜の涼しさ、「今日は涼しくていい夜だね」と言い合うような夏、日中はからっと暑い日だったんだろうなと思うような夏を感じました。

劇場の空調が紀之介たちの過ごした夏になっていました。

客席の期待、音楽、アナウンス、それまで作り上げてきたもの、混ざってあの夏になっていました。

 

「神々の土地」も夏に上演されます。

大劇場には過ごしやすくエアコンが入っています。

じっとしていると肌寒く感じます。

きっと私は朝夏さんのアナウンスが入った客席に「ロシアの冬だな、少し寒いな」と思うでしょう。

単純な私は同じ温度設定でも冬を感じます。

劇場の空調機までも味方につけてどっぷり浸らせてくれる、そんなお芝居が観られるのだろうと楽しみにしています。

 

 

圧巻の

実咲凜音サヨナラショーを観ました。
一度出た涙も引っ込むような、圧巻の舞台でした。
映画館のスクリーンで見たにも関わらず圧倒され続けました。
かわいらしいロザリーから芯の通ったアイーダアイーダとは違った強さを持つ王妃。
集大成としてのエリザベート
一瞬で変わる実咲さんに、実咲さんの歌に圧倒され続けました。劇場ではこの何倍ものパワーがあるのだろうと思うと実咲凜音さんは本当にすごいなあと思います。

退団を寂しいと思っていた気持ちは実咲さんのパワーに吹き飛ばされました。
寂しいですが最後に大きな花が咲いたステージを観ることができて本当に良かったです。
何度でも言いますが、圧巻の実咲凜音サヨナラショーでした。