花組公演「邪馬台国の風/Sante!!」を見てから1ヶ月以上過ぎているのにいまだに思い出します。
第16場サロンでの美穂さんピアフの「愛の讃歌」が絶品でした。
あの日聞いた美穂さんの「愛の讃歌」は大劇場いっぱいに響いていて、
しんとした大劇場に広がる歌声を聞き逃さないように必死になって、
客席の視線と耳が美穂さんに向かっていることがよく分かって、
目が離せなくて、
何も考えられなくなって、
ずっと覚えていたいと思って、
素晴らしい歌唱が終わって脱力する気持ちとたくさん拍手したい気持ちがせめぎあって、
やっぱり無茶苦茶拍手しました。
力強く、美しく、切ない歌唱でした。
歌は客席に届いているけれど、客席ではなくマルセルを想っていることが伝わってきて切なかったです。
「感動」「心が揺さぶられる」「観に行ってよかった」、そんな風にしか表現できない自分をもどかしく思います。
映像では劇場中に響く歌声やしんとする劇場の空気、客席の視線、緊張、素晴らしいパフォーマンスに比例する拍手って分からないじゃないですか。
劇場でしか味わえない感動はある。
毎回ある訳じゃないし、いつあるか分からないけれど、劇場の客席にいたからこそ知れた感動がある。思い出すだけでしあわせで、この先もずっと大切にしたいものがたくさんある。
私はそんな体験をするために劇場に行く。