吾輩はヅカオタである。

名前はまだない。

「私だけに」と口ずさむこと

エリザベート」に関して、シシィは死を愛したのか、死を愛するとは、トートとは何だったのか、「エリザベート」は嫁姑問題なのか、シシィの愛とは何だったのか、などなどなどを考えることはもうやめました。分からないし、脚本のミヒャエルさんもそんなに考えてなかったのではないかと思うことにしました。


ただ、事実として「私だけに」という歌があります。
私が私の生命を委ねるのは私。そんな単純で当たり前のことが難しい時代もありました。今だってできているか分かりません。今だって奪われた人もいます。
女は男の所有物であった時代。父と夫に所属するときは終わりました。今は人が「女らしく」「男らしく」という呪いから逃れて「自分らしく」生きるために模索する時代なのかと思います。


宝塚ファンあるあるとして私もひとりでエリザベートを上演できるくらい身に染みています。自転車を漕ぎながら、お風呂に入りながら「エリザベート」のナンバーを歌っています。同じくらい自然に、人生の大切な場面で「私だけに」と口ずさんで生きられますように。
私と「エリザベート」を観た人が「私だけに」と歌って生きられることを心の底から祈っています。

 

 

(大好きな実咲凜音さんの退団発表の日に。実咲さんの宝塚歌劇でのご活躍と退団後しあわせも祈って。)