吾輩はヅカオタである。

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愛希れいかさんの背中

2017年と月組公演の初日早々に「グランドホテル」「カルーセル輪舞曲」観てきました!
劇場で観ていたときから楽しかったのですが、帰ってからじわじわきますね。特にグランドホテルが。
運転手かっこよすぎ~ 支配人かっこよすぎ~というのは一旦横に置いておいて今日はエリザヴェッタ・グルーシンスカヤ、愛希れいかさんについて語らせていただきます。
お話の結末について触れています。

 


エリザヴェッタは駅に行った後どうしたのだろうと考えてしまいます。

愛する彼は来ない、彼女の希望だった男爵は来ない。ラファエラは教えてくれないし、たぶん誰も教えてくれない。エリザヴェッタを襲う絶望を想像しては悲しくなり、彼女は踊れるのかと心配になります。

敬愛する気持ちを込めてエリザヴェッタと呼ばせていただいているのですが、彼女すごくチャーミングですてきな女性でしたね。男爵が見とれるのも納得の美しさなんですけど、デコルテの痩せ具合から過ぎた39年と39ヶ月の年月も感じさせられました。ただ、カルーセルのときの愛希さんのデコルテにそんなものは微塵も感じないので、演じるって本当にすごいなと思います。

腕と脚が引き締まってきれいな筋肉をいつも見せてくれる愛希さん。舞音ではきれいな腹筋も披露してくださいましたね。考えれば辿り着くはずだったのですが、まさか背中にも筋肉がしっかりと付いてらっしゃるとは。
きれいなバレエのお衣裳でしっかりとした背中の筋肉を見せられると思っていなかったので目が離せませんでした。約4年のトップ娘役として培ってきたものを背中で見せつけられた気がしましたし、エリザヴェッタの20年ものバレエ生活を背中で教えられました。努力、お稽古、宝塚人生が詰まった美しい背中でした。あんなに背中で語る娘役さんは初めてです。
いろんなことがあって、それを乗り越えて舞台に立っているのだなと思いました。愛希さんとエリザヴェッタが重なって見えて尊敬と感謝が沸き上がってきます。愛希さんもエリザヴェッタもお二人ともとても美しかったです。

エリザヴェッタはどうなったのだろうか、ということに話は戻ります。ずっと考えた結果、私個人の希望としては愛する彼が来なかったことも背中に負ぶって踊り続けてほしいなと思います。背負う、もしくは皺のひとつにして人生を進んでいってほしい、そう思います。彼はもう来ないけれど、「踊りたい」を引き出してくれた彼を忘れるでも引きずるでもなく生きる彼女を見たいと思うのはエリザヴェッタファンの自分勝手ですね。でも、あの背中なら1つくらい荷が増えても負けないと思います。

愛希さんの背中からそんなことを考えました。