宝塚歌劇の何が好きって
あのまなざしが好き。
男役さんが娘役さんに向けるまなざしが好き。
娘役さんが男役さんを見つめるまなざしが好き。
相手役さんを信じるまなざしが好き。
トップさんが組子にかけるまなざしが好き。
組子がトップさんに向けるまなざしが好き。
初舞台生を迎えるまなざしが好き。
退団者に向けるあたたかなまなざしが好き。
下級生を応援するまなざし、上級生を追いかけるまなざしが、同期を信頼するまなざしが好き。
客席に向けてくださるしあわせなまなざしが好き。
私の知らない人と人が見つめあう何もない空間に年月、信頼、愛、慈しみ、あたたかさを感じています。
宝塚歌劇のどこが好きなのだろうとよく考えますが、私はきっとあのまなざしが好き。
あのまなざしだけは他にないと思う。
大劇場で見られる美しいまなざしが好き。
そのまなざしがこちらに向けられていなくていい。
この世に存在して、それを客席から眺めていられるだけでいい。
何もかも忘れられるあたたかなまなざしが好き。