吾輩はヅカオタである。

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2022年夏 「心中 恋の大和路」を観た話

幸運にも「心中 恋の大和路」を観ることができました。1年前のことなのはご容赦ください。

 

暑い夏の公演だったにも関わらず、最後の場面はまごうことなく吹雪いていました。

和希さん狂った演技上手すぎじゃないですか?新公ルキーニのときも本当に狂ったかと思ったけど、この1幕ラストはその比じゃなかった。ほんとすごかったです。あの金貨がどこから出てきているのか分からなくって戸惑いました。和希さんもすごいけど、あの場面にいた皆すごかったよ。名場面ってこういうことを言うんだろうと思います。

関西に住んでいる私には馴染みのある地名が多く、忠兵衛と梅川ちゃんが逃げる道のりを思い浮かべながら観ました。

最後の場面は画としてなんとなく知っていたのですが、実際に観たあの場面は本当に美しかったです。これも名場面だと思いました。

 

カチャさんの八右衛門が無茶苦茶良かったですよね。

忠兵衛と友でありながら、八右衛門の方が少しお兄さんで忠兵衛が日々甘えて過ごしていたんだろうな、と思わせる和希さんとカチャさんのお芝居でした。

これはきっと壮さんと未涼さんのお芝居だと違っていたんだろうなと。

 

夢白ちゃんの瞳が息絶える寸前きらりと光ったんです。愛を遂げられた安堵なのでしょうか。それはただ単に涙が照明を反射した、ということではあるのだけれど、映像では分からないし、客席にいても毎回見られるものではありません。これこそが生の演劇の醍醐味だと思いました。

そんな瞬間を味わえてしあわせでした。

 

和希さんと言えば、まずダンスと言われることが多いのではないでしょうか。そのダンスを封じてもなおこれだけのことができるのがすごいです。

まぁ、全部できる方なのですが。

 

暑い日でした。

毎年夏になると「ハッスルメイツ」を観られたことを思い出します。

楽しくて嬉しかったあの公演。

「心中 恋の大和路」を観てこの名作、名場面を和希さんで観られて良かったと思いました。

楽しいだけのお話ではありません、苦しい悲しい、もちろんそれだけではないけれど。

もう楽しいだけではいられない、そんな和希さんのポジションにも思いをはせてしまうような公演でした。